米不足と価格高騰
令和の米不足として日本列島は2024年、2025年とお米が不足し、お米の値段も高騰しています。消費者の皆さんは少しでも安いお米がどこで売っているのか、スーパーやドラッグストア、お米屋さんなどで探されていることと思います。
お米と言えば北陸や東北地方を思い浮かべがちですが、私の住む和歌山県にも美味しくて価格が安いお米があるはずですので、自身のお米生産者としての独自の視点でご紹介していきます。その上で、販売サイトも掲載していますので、是非最後までお付き合いください。
和歌山県のお米(ブランド)
和歌山県は、温暖な気候と豊富な水資源に恵まれ、多様なお米の品種が栽培されており、全国的にも高く評価されています。お米と言えば寒い地方の方が美味しいイメージがありますが、近年は暑さに強い新しい品種も登場しています。
和歌山県のお米は実は美味しいのですが、あまり全国的には知られていません。山が多い分、お米にとって大切なきれいな水がたくさん流れているのです。
本記事では独自の調査で和歌山県の美味しいお米のブランドをランキング形式で紹介したいと思います。筆者が実際に食べてみたり、実際に栽培したこともある品種もあります。
和歌山県での栽培品種
和歌山県で主に栽培されているお米の品種(ブランド)を挙げてみました。皆さん知っている品種はありますか?
- きぬむすめ
- キヌヒカリ
- にじのかがやき
- コシヒカリ
- ヒノヒカリ
- ミルキープリンセス
国に品種登録されているお米の銘柄数は1002品種あり、水稲、普通のお米(うるち米)は約440品種ほど。ご飯用として作られ農産物検査されているものが約290品種になります。
お米ランキング
第3位 キヌヒカリ
3位はキヌヒカリです。1989年に品種登録され、「コシヒカリ」と「愛知87号」を交配して生まれました。和歌山県でも未だに多く栽培されており、県内のお米の主要品種の一つとなっています。
親品種の「コシヒカリ」の万人受けする食味を受け継ぎつつ、高温に強く、収穫しやすい性質を持っています。炊き上がりが白く美しく、「絹(きぬ)」のような光沢があることが名前の由です。ほどよい粘りとあっさりした味わいで、さっぱりした食感が特徴。コシヒカリよりもさっぱりとした食感で、どんな料理にも合わせやすいのが特徴です。
コシヒカリに比べて病気に強く、倒れにくく、比較的短期間で収穫できるため台風の影響を受けやすい西日本を中心に栽培されています。日本穀物検定協会の食味ランキングでは「A」の評価を獲得しており、高品質なお米として認められています。
第2位 にじのきらめき
第2位は「にじのきらめき」です。にじのきらめきは、2018年に国の研究機関である農研機構が開発し品種登録された比較的新しいお米の品種で、特に西日本の温暖な地域で栽培されている高温耐性に優れた品種です。「西南136号」(後の「なつ ほのか」)と「北陸223号」の交雑後代から育成されました。近年の温暖化に対応できるお米として注目されており、和歌山県でも生産されています。
栽培面積が急速に拡大中で、2024年産では全国で7,600ヘクタールを超える見込みで、前年比1.5倍以上に成長しています。生産者にとっては育てやすさと収量の多さが魅力です。ちなみに私は長年キヌヒカリを作ってきましたが、今後はにじのきらめきを栽培しようと考えています。
コシヒカリとの比較
出典:高温耐性に優れた多収の極良食味イネ品種「にじのきらめき」:農林水産省
食味はコシヒカリと同等かそれ以上。ほとんどのデータでコシヒカリを上回っています。高温耐性に優れ、やや大粒で玄米品質が優れているという結果になっています。食味ランキングでは「A」評価を獲得しています。さらにコシヒカリに代わる次世代の主力品種として期待されているようです。
炊き上がりのツヤが美しく、「虹のように輝く」ことが名前の由来です。お米の粒ひとつひとつも大きく、しっかりとした食べごたえがあります。甘みも強く、粘りもありますが、さっぱりとした味わいが特徴でおすすめの品種となっています。
第1位 きぬむすめ
1位はきぬむすめ。近年、和歌山県も作付面積が増えている品種で温かい地方での栽培に適しており、関西など西日本を中心に普及しています。高温耐性があり、温暖な気候でも美味しく仕上がります。
2008年に品種登録されたお米で、主に和歌山県北部で生産されています。日本穀物検定協会の食味ランキングでは、過去7年間(2018~2024年)の間で2021年産で「特A」を1回、そのほかは「A」の評価を受けています。
親品種は「キヌヒカリ」と「祭り晴」で、それぞれの長所を受け継いでいます。味わいはもっちりとした食感でありながら、適度な粘りとあっさりとした甘み。炊き上がりはツヤがあり、冷めても美味しいのが特徴です。和食全般に合う味で、特に「塩むすび」や「和風だし茶漬け」と相性抜群。地元の農家や消費者から「炊き立てはもちろん、おにぎりやお弁当にも適している」と高く評価されています。
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米の食味ランキングとは
米の食味ランキングとは、日本穀物検定協会が1971年産から開始しらランキングです。1989年から特Aを設けています。産地品種ごとに「特A」「A」「A´」「B」「B´」の5段階で格付けする。複数産地の「コシヒカリ」のブレンド米を基準に外観、香り、味、粘り、硬さ、総合評価の6項目で評価をします。
おすすめポイント
最後に和歌山県のお米のおすすめポイントをまとめたいと思います。
温暖な気候と豊かな自然が生み出す美味しいお米
和歌山県は温暖な気候と清らかな水源に恵まれ、品質の高いお米が育つ環境が整っています。特に県北部では、お米作りが盛んに行われています。
冷めても美味しい!おにぎりやお弁当に最適
和歌山県産のお米は、冷めても味が落ちにくい品種が多いため、おにぎりやお弁当にもぴったり。特に「きぬむすめ」や「にじのきらめき」は、食感がしっかりしていておにぎり向きです。
和食だけでなく、洋食や中華にも合う
あっさりした「キヌヒカリ」や「にじのきらめき」は、チャーハンやカレーライス、丼ものにも最適。料理のバリエーションを選ばないのも魅力です。
食味ランキングでも高評価!
和歌山県産の「きぬむすめ」は、日本穀物検定協会の食味ランキングで「A」や「特A」を獲得した実績があり、品質の高さが証明されています。
購入場所
和歌山県内の農産物直売所やスーパー、オンラインショップでも購入可能。新鮮で美味しいお米を手に入れやすいのもポイントです。
バランスの良い品種と品質の高さが魅力!
「甘みが強いもの」「あっさりしたもの」「高温に強いもの」など、多様な品種があるので、自分好みのお米を見つけやすいのが和歌山県産米の大きな特徴です。ぜひ一度、試してみてください!